腹腔鏡下胆のう摘出術(ラパコレ)の術式について

最近では腹腔鏡下で手術が行われることが多くなりましたが、モニターでの術中操作を見ながら予測して器械だしを行うことが求められます。

腹腔鏡下で行われる外科の手術は他にもありますが、新人はラパコレからスタートすることが多いです。

腹腔鏡下での手術では出血の状況などにより、開腹手術への術式変更なども行われるため、常に術野を確認しておくことが大切です。

今回は、腹腔鏡下胆のう摘出術の術式と手術の流れについて見て行きましょう。

手術の適応は急性胆嚢炎など

胆のうは肝臓の裏側にある臓器であり、胆道は肝管、胆のう、胆のう管、総胆管から成り立っています。

主な働きは、肝臓で生成された胆汁を貯蔵・濃縮し、収縮によって十二指腸へ排出します。

  • 胆のう結石症
  • 胆のうポリープ
  • 急性胆のう炎
  • 慢性胆のう炎

これらの疾患が手術適応となります。

既往歴や術式に伴うリスクを把握しておくことが大切

腹腔鏡下で行われる手術の際は、既往歴や術式に伴うリスクを把握しておくことが大切になります。

胆のう摘出術では、上腹部の手術歴の有無や、炎症の程度、開腹手術への術式変更の可能性などを把握し、チームで共有しておくことが大切になります。

上腹部の手術歴がある人の場合は、組織の癒着が激しいことが考えられるため、腹腔鏡下で剥離が困難になり、開腹手術へと移行することがあります。

腹腔鏡手術から開腹手術に術式変更した時の体験談と対処法

そのため、手術歴の有無は確認しておくことが重要なのです。

セッティングは体位固定に注意する

腹腔鏡下胆嚢摘出術は仰臥位で行われますが、ドクターによっては砕石位をとることもあります。

胆のうの剥離をスムーズにするために、麻酔導入後にヘッドアップするため、体位固定に気をつけることが必要です。

セッティング時の観察項目は以下の通りです。

  • 体がずり落ちていないか
  • 頭部、両肩関節、両上肢の位置は適切か
  • 圧迫されていないか
  • モニターは見やすい位置か
  • コード類が絡まっていないか
  • コード類が患者さんに当たっていないか

直接介助は鉗子類の確認をしておく

腹腔鏡下胆嚢摘出術で使用される器械は、腹腔鏡の鉗子ですが、鉗子がスムーズに動くか、しっかり組み立てられているか確認しておきましょう。

手術で使用される主な器械

鉗子類
  • 有窓把持鉗子
  • 腸把持鉗子
  • メリーランド剥離鉗子
  • 内視鏡用剪刀鉗子(ハサミ)
  • クリップ
その他
  • ラパロ用吸引
  • ラパーゼ
  • E・Zパース
  • ラパロ用電気メス(フック型)
  • トロッカー
  • 光学視管など

使用される器械などは、職場やドクターによって違うこともあります。

腹腔鏡下胆嚢摘出術の流れ

実際に行われてる腹腔鏡下胆嚢摘出術の流れを見て行きましょう。

腹腔鏡用のポート作成

最初にカメラポートから作成します。

臍の部分にメスで皮下を切開し、カメラポート用のトロッカーを挿入します。

カメラを挿入し、気腹を開始して、胆嚢周囲や腹腔内を観察し、手術ができると判断したら、3箇所トロッカーを挿入します。

カメラポートは10mm、カメラポート以外のトロッカーは5mmを使用することが多いです。

傷口は全部で4箇所になります。

胆のう周囲の剥離

胆のうに到達したら、胆のう周囲の剥離に取り掛かります。

胆のう菅、胆のう動脈は肝臓に面している部分に引っ付いているため、電気メスを使用して剥離して行きます。

この時、助手が把持鉗子で胆のうを持ち上げ、三角部(カロー三角)を展開します。

胆のう頸部と胆のう菅の間を剥離し、胆のう菅を露出させます。

この時、胆のう菅から造営チューブを挿入し、胆管造影を行うこともあります。

 

クリップで胆のう菅と胆のう動脈を切離

胆のう菅の剥離が終わったら、胆のう菅にクリップをかけて切離します。

この時、胆のう側はクリップ1つ体内に残る方はクリップを2つかけます。

胆のう菅の切離が終わったら胆のう動脈を剥離し、同様にクリップをかけて切離します。

肝床部の剥離を行う

胆のう菅と胆のう動脈が切離できたら、肝床部の剥離を行います。

胆のうを肝床部から剥離する際に出血することがあるため、電気メスを使用しながら剥離を行います。

電気メスの設定を変更する場合があるので、すぐに対応できるようにしておきましょう。

胆のうを袋で回収する

切離された胆のうはE・Zパースなどの袋で回収し、カメラポートが入っている臍のポート部分から体外に摘出します。

洗浄、止血確認、閉創

胆のうが摘出されたら、肝床部の止血確認を行い、洗浄し閉創を行います。

必要があれば、肝床部の下にドレーンを留置することもあります。

術中の合併症は総胆管損傷などがある

腹腔鏡での手術は患者さんにとって侵襲が少なく、直接介助を行なっている看護師も比較的落ち着いて介助ができる手術です。

しかし、腹腔鏡での手術にも合併症があるので理解しておきましょう。

  • 出血
  • 総胆管損傷
  • 腸管損傷
  • 腹腔内落石

これらが腹腔鏡下胆嚢摘出術の術中合併症ですが、これらの合併症によって開腹手術への術式変更も行われるため、手術の進行をしっかり見極める必要があります。

腹腔鏡手術から開腹手術に術式変更した時の体験談と対処法

出血

術中の剥離の際に動脈や静脈を傷つけてしまうことによって出血してしまうこともあります。

また、胆のうを肝床部から剥離する際にも出血が起こりやすいです。

電気メスなどで止血をしながら術中操作を行いますが、出血が止まらない場合は開腹手術へ移行します。

総胆管損傷

胆のう炎の後などで癒着が酷い場合は、総胆管を損傷してしまうこともあります。

腹腔鏡で修復可能な場合もありますが、修復できない場合は開腹手術に切り替えます。

胆汁漏れ

総胆管の損傷により、損傷部位から胆汁が漏れ出てしまうことがあります。

腹腔内に胆汁が漏れてしまうと、感染や腹膜炎の原因になってしまうため、すぐに生理食塩水で水が透明になるまで洗浄します。

洗浄に生理食塩水を使用するため、いつもより多めに準備しておくことが大切です。

腸管損傷

腹腔鏡の操作は視野が限られているため、術中操作を誤ってしまい腸管損傷を起こしてしまうこともあります。

このように術中の合併症により術式変更などが行われるため、手術の進行を読みながら直接介助に着くようにしましょう。

ガーゼカウントはしっかり行う

ラパコレでは腹腔鏡用のガーゼである小さいラパーゼやハーフガーゼを使用することがありますが、ガーゼカウントはしっかり行うことが大切です。

腹腔鏡での手術は術野がモニターに映る範囲しか把握できないので、常にカウントを把握して腹腔内に残留しないように注意する必要があります。

胆のう周囲の剥離の時に止血のためにガーゼを腹腔内に留置することがあるので、しっかり把握しておきましょう。

腹腔鏡の手術に慣れるために

最近では開腹手術より、腹腔鏡で行うラパロ手術が増えてきています。

腹腔鏡は創部が目立たない、術後の痛みが軽減されるなど患者さんにメリットもありますが、術野が限られてしまうため合併症のリスクも高くなります。

また、ラパロから開腹手術への術式変更も少なくないため、すぐに対応できるよう準備しておくことが必要になります。

術式変更時は慌ててしまいますが、事前に勉強しておくことで慌てずに済みます。

術式の勉強にオススメの参考書

腹腔鏡の手術の件数は増えていますが、術式や手術の流れに自信がない新人ナースも多いと思います。

腹腔鏡の手術では、開腹手術への移行など術中の合併症をしっかり理解しておくことが必要になります。

この参考書では、56の術式について術式のポイントや麻酔、注意点などがチェックできるので、新人ナースの勉強にぴったりです。

また、今回紹介したラパコレの術式や注意点も載っているので、1冊持っていると役に立つ参考書です。

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