再建方法は3種類!幽門側切除術の再建方法と術式

胃の手術には、幽門側切除術と胃全摘術の2種類の方法がありますよね。

それぞれの術式は、疾患や症状に合わせて選択されます。

幽門側切除の場合は、早期胃ガンに対して行われることが多く、予後も良好な場合が多いです。

今回は、胃ガンや胃潰瘍の手術で行われる幽門側切除術の再建方法と術式について見ていきましょう。

胃ガンと胃潰瘍では切除範囲が違う

幽門側切除術は、胃ガンと胃潰瘍に対して選択される術式です。

胃ガンと胃潰瘍では同じ術式ですが、切除範囲が異なります。

胃ガン
  • 胃の切除範囲が大きい
  • リンパ節、大網、小網を郭清・切除
胃潰瘍
  • 胃酸分泌部分を含めた胃体部
  • ガストリン分泌細胞が分布する幽門腺領域

このように同じ術式で行われますが、切除部位や目的が変わってくるので理解しておきましょう。

再建方法は3種類ある

胃の部分切除で行われる再建方法は3種類あります。

  • ビルロートⅠ
  • ビルロートⅡ
  • ルーワイ

第一選択で行われるのは、ビルロートⅠの方法であり、切除部位と十二指腸をそのまま繋ぐので、生理的な流れを保つことができます。

残胃が小さく、胃と十二指腸との距離があってつなぎにくい場合、ビルロートⅡやルーワイ法が選択されます。

無理に十二指腸と残胃を繋ぐと、十二指腸液が残胃や食道へ逆流し、逆流性食道炎を引き起こしてしまうことがあります。

早期胃ガンの場合は転移を確認する

早期胃ガンとは、ガンの浸潤が胃粘膜内か粘膜下層までで止まるものと定義されており、リンパ節への転移の有無は問われていません。

早期胃ガンの場合は、開腹した時に転移、進行している場合もあるので、まずはガンの進行度と郭清範囲を決めます。

肉眼で進行度を確認

確認する部位は、以下の通りです。

  1. 腹膜転移
  2. 肝転移
  3. リンパ節転移
  4. 胃壁深逹程度

これらを肉眼で確認し、切除範囲とリンパ節郭清の範囲を決めます。

リンパ節郭清を行うリンパ節名と番号は以下の表の通りです。

1 右噴門リンパ節
2 左噴門リンパ節
3 小湾リンパ節
4 大湾リンパ節
5 幽門上リンパ節
6 幽門下リンパ節
7 左胃動脈幹リンパ節
8 総肝動脈幹リンパ節
9 腹腔動脈周囲リンパ節
10 脾門リンパ節
11 脾動脈幹リンパ節
12 肝十二指腸間膜内リンパ節
13 膵頭後部リンパ節
14 腸間膜根部リンパ節
15 中結腸動脈周囲リンパ節
16 大動脈周囲リンパ節
17 脾頭前部リンパ節
18 下膵リンパ節

リンパ節郭清

十二指腸や大網などの周辺組織の剥離を行い、十二指腸の裏側にある右胃大網動静脈を結紮・切離し、その下にある幽門下リンパ節(⑥番)を郭清します。

次に、肝十二指腸間膜内リンパ節(12番)を郭清し、右胃動静脈を結紮・剥離し幽門上リンパ節(⑤番)を郭清します。

受け取ったリンパは番号を控えて保存しておきましょう。

肛門側を切離

幽門輪より約1〜2m肛門側の十二指腸側を切離し、胃の裏側の処理を行います。

胃を左上方にひっくり返し、総肝動脈沿いのリンパ節(⑧番)を郭清し、左胃静脈を結紮・切離します。

次に、腹腔動脈周囲リンパ節(⑨番)を郭清したら、左胃動脈を二重結紮で切離し、その付近にある左胃動脈幹リンパ節(⑦番)を郭清します。

大網と小網の切除

小網を肝付着縁から切離後、胃小湾付近のリンパ節①番と③番を郭清します。

反対側に周り、脾臓の下にある左胃大網動脈を処理した後に大網を切離します。

胃を切離する

胃ガンの秒巣がある部分から十分な距離をとって、口側の胃にステープラーをかけて切離します。

胃と大網とリンパ節が摘出されるので、扱いに注意しながら受け取ります。

消化管吻合と再建

残胃と十二指腸を繋ぐ再建方法には3種類ありますが、第一選択はビルロートⅠ法です。

ステーブラーをかけた残胃に、十二指腸と残胃の大湾側に吻合口を作成します。

吻合口と十二指腸を吻合するとビルロートⅠになります。

十二指腸の断端を閉鎖して残胃と空調を吻合するとビルロートⅡになり、空腸と十二指腸を吻合するとルーワイ法になります。

出血確認後ドレーンを留置

出血確認を行い、左横隔膜下にドレーンを留置します。

術中は器械の扱いに注意する

消化管の手術では、清潔と不潔を区別して器械操作に気をつけなければなりません。

十二指腸と胃を切離して吻合する時は、器械が不潔になるのできちんと把握しておきましょう。

術中にどの部分を操作しているのか、返ってきた器械が清潔なのか不潔なのかを理解しておきましょう。

また、ステープラーなどの機械を扱う場合は、替え刃の交換方法や使用したカートリッジの扱いについてもスムーズに行えるようにしておきましょう。

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