眼科の水晶体嚢外(のうがい)摘出術の流れと術式

眼科の手術の一つある水晶体嚢外(のうがい)摘出術は、核の硬い水晶体や後嚢破損などのトラブルの時に適応されます。

通常の乳化吸引による水晶体手術の途中で術式変更になることもあります。

嚢外への術式変更になった時は、縫合糸や持針器などの器械や物品の追加が必要になるので、対応できるよう準備しておきましょう。

今回は、眼科の水晶体嚢外(のうがい)摘出術の流れと術式についてお伝えします。

水晶体嚢外(のうがい)摘出術とは?

水晶体嚢外(のうがい)摘出術とは、水晶体全体を強膜の切開創から摘出する手術のことです。

乳化吸引による水晶体手術の場合は、超音波により水晶体を分割して破砕吸引を行います。

そのため、切開創が小さく手術時間も20分程度で済みますが、嚢外は水晶体全体を摘出するため切開創が大きく手術時間も長くなります。

水晶体嚢外(のうがい)摘出術の適応疾患

水晶体嚢外(のうがい)摘出術は、次のような疾患の時に適応されます。

  • 核の硬い白内障
  • 後嚢破損
  • チン小帯断裂

通常の白内障手術が行われているときに、上記のトラブルが発生した場合にも適応されます。

私が働いてた時は、術中に水晶体の分裂ができず術式変更になったケースも多かったです。

水晶体嚢外(のうがい)摘出術の手術時間と麻酔方法

水晶体嚢外(のうがい)摘出術の麻酔方法と手術時間について見ていきましょう。

水晶体嚢外(のうがい)摘出術の手術時間

水晶体嚢外(のうがい)摘出術の手術時間は、30〜50分ほどとなっています。

ドクターや症例によって手術時間は異なりますが、乳化吸引による白内障のオペに比べると長くなります。

水晶体嚢外(のうがい)摘出術の麻酔方法

麻酔方法は、テノン嚢下麻酔と球後麻酔を併用して行います。

術中で術式変更になった場合は、麻酔の追加などが必要になるため対応できるよう準備しておきましょう。

水晶体嚢外(のうがい)摘出術の流れ

水晶体嚢外(のうがい)摘出術の大まかな流れは、次の通りです。

  • 麻酔実施
  • セッティング
  • 開瞼器し強膜を止血
  • 強膜切開創
  • サイドポート作成
  • 粘弾性物質を前房内に注入
  • ハイドロダイセクション
  • 強膜の全層切開
  • 核娩出
  • IOL挿入
  • 強膜切開創の縫合
  • 粘弾性物質の除去
  • ビーエスエスの漏れ確認
  • 軟膏・眼帯

詳しい内容について見ていきましょう。

麻酔実施

患者さんが入室したら仰臥位に体位を固定し、テノン嚢下麻酔+球後麻酔を実施します。

意識下で行うため、バイタルサインに注意しながら異変を感じたらすぐに声をかけるよう説明します。

セッティング

器械や消毒、オイフ、顕微鏡のセッティングを行います。

開瞼器をかけて強膜を止血

手術側の目に開瞼器をかけ、バイポーラで強膜を止血します。

バイポーラで強膜を止血することで強膜切開時の出血を抑えます。

強膜切開創・サイドポート作成

ナイフを使用して強膜に切開創を作成します。

この時、出血により視野が確保しにくいため、適宜ビーエスエスプラスをかけて視野の確保を行います。

強膜切開が終わったらサイドポートも作成します。

粘弾性物質を前房内に注入

粘弾性物質を前房内に注入し、連続円形切嚢を行います。

ハイドロダイセクション

水晶体嚢と皮質の分離させることをハイドロセクションといい、ビーエスエスプラスの水流によって皮質を分離させていきます。

強角膜の全層切開

マイクロ剪刀を使って強角膜の全層切開を行います。

この時に出血により視野の確保が必要になるため、ビーエスエスプラスを適宜かけます。

核娩出

前房内に粘弾性物質を注入し、フックを使用して水晶体を目の外に娩出します。

IOL挿入

眼内に残った皮質を吸引除去し、粘弾性物質を注入しIOL(眼内レンズ)を挿入する。

強膜切開創の縫合

IOLの挿入後、10-0ナイロンで強角膜を縫合します。

ビーエスエスの漏れ確認

粘弾性物質を除去し、ビーエスエスプラスをサイドポートから注入して縫合部分からの漏れを確認します。

水晶体嚢外(のうがい)摘出術の注意点

水晶体嚢外(のうがい)摘出術は、白内障の乳化吸引のオペに比べると切開創が大きくなるため、出血の危険性も高くなります。

出血により術野が確保できないこともあるため、適宜ビーエスエスプラスをかけ術野の確保が重要になります。

また、後嚢破損や硝子体脱出などのトラブルが発生した場合は、硝子体カッターなどが必要になるため、トラブルに備えた準備も必要になります。

水晶体嚢外(のうがい)摘出術では縫合で針を扱いますが、眼科の針は小さく見えにくいため扱いには注意しましょう。

手術終了後に眼科の針が見つからず、探し回ったところ機械の裏に引っ付いて見つけられなかった経験をしたこともあります。

水晶体嚢外(のうがい)摘出術を理解するために

水晶体嚢外(のうがい)摘出術は眼科の手術の中でも、術式変更で実施されることもあります。

術式変更となると慌ててしまいますが、患者さんに不安を与えないよう冷静に対応することが大切になります。

術式変更の可能性や変更時の対応については、日頃からしっかり勉強しておくことでスムーズに対応できます。

眼科の手術の勉強にオススメ

眼科の手術は術野も狭く「何をやっているのか分からない」と悩む新人ナースもいます。

眼科の手術はビーエスエスプラスによる視野の確保など、器械出しの重要性も大きく術中の流れを理解しておくことが大切になります。

この参考書では、今回紹介した「水晶体嚢外(のうがい)摘出術」についても写真付きで詳しく紹介されているので手術の流れを理解しやすいです。

眼科の主要な手術がカバーされているので、新人ナースの勉強に活用できる1冊になっています。

オペナーシングは年間購読がお得

オペナーシングの年間購読の詳細ページ

オペナーシングはメディカ出版から毎月発行されている専門雑誌ですが、便利な年間購読がオススメです。

オペナーシングを年間購読は下記の3プランがあります。

  1. オペナーシング 12ヶ月分+増刊号2冊+ヨメディカ
  2. オペナーシング 12ヶ月分+増刊号2冊
  3. オペナーシング12ヶ月分

それぞれのプランで値段が異なりますが、送料は無料です。

特に①のプランは増刊号2冊とヨメディカが付いているので、通常で購入するよりもかなりお得です。

ヨメディカとは?

ヨメディカとは、オペナーシングの2010年度以降に発行されたバックナンバーをオンライン上で読み放題できるというものです。

雑誌を持ち歩く必要がなく、オンラインでバックナンバーが読み放題なので出先でもサッと調べることができます。

知りたい情報を検索することもできるので、論文やケースの勉強にも活用できます。

オペナーシングの年間購読の詳細ページ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です