乳房部分切除術(MMK)の術式と流れ

乳房部分切除術(MMK)は乳がんの治療方法の一つであり、乳頭と乳輪を残した状態で切除を行う手術です。

乳がんは乳管内を通って転移することが多いため、センチネルリンパ節生検を行い、必要に応じて腋窩リンパ節郭清を行います。

そのため、インジコカルミンやICGなどの色素や赤外線モニターなどの機器の準備も必要になります。

リンパ郭清を行わず腫瘍摘出のみであれば1時間半程度で終わる手術なので、新人ナースが担当することも多いです。

今回は、乳房部分切除術(MMK)の術式と流れについてお伝えします。

乳房部分切除術(MMK)とは?

乳房部分切除術(MMK)とは乳がんの治療方法の一つであり、乳輪と乳頭を残した状態になります。

乳房全摘術とは異なり腫瘍と周囲の組織を切除しますが、温存術の中でも切除範囲が広い手術になります。

術後は乳輪と乳頭が残った状態であるため乳房の変容が軽度であり、ボディーイメージの変容も少ないことが特徴です。

術中にセンチネルリンパ節生検を実施

乳房部分切除術では腋窩リンパ節への転移を確認するため、センチネルリンパ節生検を実施します。

センチネルリンパ節生検については、下記のページで詳しく説明しています。

センチネルリンパ節への転移が認められた場合は、乳房部分切除だけでなくリンパ郭清も追加で行われます。

乳房部分切除術(MMK)の術中体位と麻酔

乳房部分切除術は比較的手術時間も短く1時間半程度で終わることが多いです。

リンパ節郭清が追加になった場合は、手術時間も長くなります。

乳房部分切除術の術中体位と麻酔について見てきましょう。

乳房部分切除術(MMK)の術中体位

乳房部分切除術の術中体位は仰臥位で行われ、腋窩のリンパ節を触るため患側の上肢は挙上した状態になります。

手術操作が行いやすいように、患側の肩の下に枕やタオルを入れて固定を行います。

乳房部分切除術(MMK)の麻酔

乳房部分切除術は全身麻酔で実施します。

術後の疼痛は内服薬によるコントロールを行うため、硬膜外麻酔は使用しません。

乳房部分切除術(MMK)の主な流れ

乳房部分切除術の主な流れは下記の通りです。

  • 麻酔導入・術中体位固定
  • センチネルリンパ節生検
  • リンパ節摘出&病理へ提出
  • 乳腺へのマーキング
  • 皮膚切開
  • 乳腺切除
  • 洗浄・ドレーン留置
  • 閉創

それぞれの流れについて詳しく見て行きましょう!

麻酔導入・術中体位固定

全身麻酔の導入後は仰臥位、患側側の上肢を挙上して固定します。

肩枕を入れて固定するため、折りたたんだタオルや肩枕を準備しておきましょう!

センチネルリンパ節生検

インジコカルミン+ICGを乳腺に注射し、腋窩を切開します

切開した部分からリンパ節を摘出しますが、赤外線カメラで確認するため、部屋を暗くするなどの準備が必要になります。

使用する器械

メス・筋鈎・セッシ

リンパ節摘出&病理へ提出

赤外線カメラとモニターで光る該当のリンパ節を発見したら、摘出して病理へ提出します。

リンパ節を受け取る時は落とさないように注意しましょう。

病理へ提出してから結果が出来るまでは30分以上かかるため、受け取ったら忘れずにすぐに提出することが大切です。

乳腺へのマーキング

腫瘍と切除範囲を把握するため、乳腺に切除線をマーキングします。

マーキングにはインジコカルミン+ゼリーを混ぜたものをシリンジで注射します。

注射すると色素が青く着色され、皮膚剥離時に見えるようになります。

皮膚切開

メスで皮膚を切開し、電気メスで真皮を切開して脂肪組織に入ります。

皮膚と皮下脂肪を切除範囲まで剥離していきます。

使用する器械

メス・セッシ・電気メス・筋鈎

乳腺切除

先ほどマーキングした部分に沿って電気メスで乳腺を切除します。

大胸筋からの出血には術後出血の原因になるため糸で結紮を行います。

乳腺を摘出する時は、断面の部位がわかるように絹糸などを使用してマーキングを実施します。

使用する器械

電気メス・糸・針

洗浄・ドレーン留置

切開した後を生理食塩水で洗浄し、残った乳腺の断面を縫合します。

乳腺と皮膚の間にドレーンの先端を留置します。

閉創

皮下結合組織と真皮を吸収糸で縫合し、表皮を連続縫合して閉創します。

表皮の表面にはテープを貼り付け、固定を追加します。

使用する器械

セッシ・針・糸

乳房部分切除術(MMK)のポイント

乳房部分切除術ではセンチネルリンパ節生検や乳腺のマーキングで色素を使用します。

色素を使用する場合は事前に指示が出されていることが多いので、準備物をしっかり確認してから準備を実施しましょう。

また、リンパ節の受け取りや病理への提出などが必要になるため、忘れずに提出することが必要です。

私も新人だった頃に一度、病理に提出し忘れるミスを経験したことがあります。

乳房部分切除術(MMK)を理解するために

乳房部分切除術は乳がんに対する治療方法の一つであり、手術を受ける患者さんも増えています。

患者さんにとっては乳房が残るとはいえ、術後のイメージがつきにくいと話す人も多いので、術前訪問時には細かく説明する関わりも求められます。

また、術中は病理検査への提出や術前にインジコカルミンなどの色素の準備なども必要になります。

赤外線モニターなど一般外科の手術では使用しない機器も必要になるので、使用物品を把握しておくことが大切です。

乳房部分切除術(MMK)の勉強にオススメ

乳房部分切除術は手術時間も短く、入社して間もない新人ナースが担当することも多いです。

乳房部分切除術では色素や使用物品が特殊であるため、しっかり理解しておくことが必要になります。

この参考書では、今回紹介した「乳房部分切除術」について分かりやすく紹介されているので新人ナースの勉強にオススメです。

乳がんのオペ以外にも外科の手術の流れが細かく説明されているので、自己学習に活用できる1冊です!

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