眼科の白内障眼内レンズ縫着術の術式と流れ

眼内レンズ縫着術は後嚢破損などのトラブル時に行われる手術です。

眼内に挿入したIOLを糸によって固定する方法であり、IOLの落下などの合併症に注意が必要です。

白内障の手術時には眼内レンズ縫着術への術式変更の可能性もあるため、対応できるよう理解しておくことが求められます。

今回は、眼科の白内障眼内レンズ縫着術の術式と流れについてお伝えします。

白内障の眼内レンズ縫着術とは?

白内障の手術時に行われる術式であり、乳化吸引時の後嚢破損などのトラブル時に適応されます。

強膜に糸でIOLを固定する

眼内レンズ縫着術は通常のIOLの手術とは異なり、糸を使用してIOLを固定する方法です。

10-0プローリンなどの糸を使用して強膜に通し、結紮をして固定します。

通常のIOL手術からの術式変更の場合は、糸や持針器などの物品の追加が必要になります。

眼内レンズ縫着術の適応

眼内レンズ縫着術の適応としては、次の症例が挙げられます。

  • 後嚢破損
  • チン小帯断裂
  • 人工的無水晶体眼
  • 水晶体亜脱臼

乳化吸引時のトラブルによってIOLを十分に支持できないと判断された場合は、眼内レンズ縫着術が適応されます。

眼内レンズ縫着術の術中体位と麻酔

眼内レンズ縫着術の術中体位

術中体位は仰臥位で実施されます。

眼内レンズ縫着術の麻酔方法

眼内レンズ縫着術の麻酔は、テノン嚢下麻酔で実施されます。

通常のIOL手術を点眼麻酔のみで行う場合は、テノン嚢下麻酔の指示が出されます。

白内障の超音波乳化吸引術(IOL)の術式と器械出しの手順

眼内レンズ縫着術の主な流れ

眼内レンズ縫着術の主な流れは下記の通りです。

  • 開瞼器で開瞼し麻酔実施
  • IOLを挿入する切開創を作成
  • 強膜フラップ作成予定部位をバイポーラで止血
  • 強膜フラップを作成
  • 強膜フラップに糸を通糸する
  • 一方の糸をIOL支持部に結紮する
  • IOL挿入
  • 反対側のIOL支持部に糸を結紮
  • IOL支持部を毛様溝に挿入する
  • 強膜フラップ縫着
  • 創部の縫合

それぞれの流れについて詳しく見ていきましょう!

開瞼器で開瞼し麻酔実施

仰臥位に体位固定を行い、セッティング。

ドレーピングをして開瞼器で開瞼し、麻酔を実施します。

IOLを挿入する切開創を作成

IOLを挿入するための切開創をナイフで作成します。

強膜フラップ作成予定部位をバイポーラで止血

糸を固定するための強膜フラップを作成しますが、止血のためにバイポーラをかけます。

強膜フラップを作成

強膜を切開し、強膜フラップを作成し、対角線上にもう一つ同様に強膜フラップを作成します。

強膜フラップに糸を通糸する

前房内に粘弾性物質を挿入し、強膜フラップから10-0プローリンを穿刺します。

一方の糸を結紮する

IOL支持部の一方に糸を通して結紮します。

IOL挿入

支持部に結紮した糸に絡まないように注意しながら、切開創からIOLを挿入していきます。

反対側の糸を結紮

IOLの挿入が終わったら、反対側のIOLの支持部に糸を通して結紮します。

IOL支持部を毛様溝に挿入する

両サイドに糸を通糸して結紮したら、IOLを毛様溝に挿入して固定します。

強膜フラップ縫着

IOLの固定ができたら強膜フラップの床に糸を縫着します。

創部の縫合

強膜フラップの床に糸を埋没させるように縫合したら、創部を縫合し手術終了となります。

眼内レンズ縫着術のポイント

眼内レンズ縫着術は、通常のIOL手術で水晶体嚢での支持が難しい場合などに選択されます。

術式変更などで実施されることも多いため、術式変更時に必要な物品などを理解しておくことが求められます。

合併症としては、虹彩脱出、硝子体脱出、眼内出血、IOLの落下などの危険性もあるため、適切な対応方法を理解しておくことが必要です。

私が手術室で働いていた時も、IOL手術から術式変更で眼内レンズ縫着術が行われることもありました。。

眼内レンズ縫着術を理解するために

通常の白内障の手術は手術時間も短く、使用する器械も多くありません。

術中に起こる後嚢破損などのトラブル時には、眼内レンズ縫着術に変更されるため、焦らず適応することが求められます。

眼内レンズ縫着術がどのような手術で、どのような操作が必要なのかをしっかり理解してくことが大切です。

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眼科の手術は術野も小さく、術中の操作が理解できないと感じる新人ナースもいます。

「何をやっているのか」が理解できなければ、必要な器械や手術の流れについて行けないですよね。

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