気管挿管で使用するスタイレットの役割と抜去のタイミング

手術室で働く新人看護師の中には、全身麻酔の挿管介助などに自信がない人もいるのではないでしょうか?

手術室では全身麻酔や挿管介助などを行うため、正しい知識が必要になります。

入社したばかりの新人ナースにとっては、スタイレットなど分からない物品も多いはず。

今回は、気管挿管で使用するスタイレットの役割と抜去のタイミングについてお伝えします。

スタイレットとは気管内チューブを安定させる器具のこと

スタイレットとは、気管挿管を行うときに使用する器具の一つですが、挿管チューブの中に入れて使用します。

見た目は白いワイヤーであり、自由自在に曲げることができます。

細い金属やプラスチックで出来ているものなど、いくつか種類があります。

スタイレットの役割

スタイレットの役割としては、挿管チューブの中に入れることにより、挿管チューブの形状を保持させることができるので、気管挿管をスムーズに行うことができます。

スタイレットを使用することによって、挿管チューブの先端が形状保持でき、チューブの進行方向がコントロールしやすくなるので、緊急で気管確保を行うときにも選択されます。

スタイレットの適応

スタイレットは、全ての症例で使用されるわけではありません。

以下の場合にスタイレットの適応となることが多いです。

  • 緊急の気管挿管を行う場合
  • 挿管困難が予測される場合
  • 最初の挿管が上手くいかなかった場合

このような場合にスタイレットを使用して挿管を行いますが、緊急時にはスタイレットを使用することが多いので準備しておきましょう。

また、挿管困難が予測される場合は、あらかじめ麻酔科医からスタイレットの準備の指示がありますが、挿管が上手くいかなかった時は途中で準備が必要になるので、用意しておくことが大切です。

スタイレットの種類

スタイレットには、大まかに2つのタイプのものがあります。

ストッパー用のネジ付きのもの

金属製でストッパー用のネジがついているものもあります。

金属製のものは単回使用ではなく、再利用されることが多いですが、最近ではあまり使用されません。

私が働いていた手術室でも金属製のものは使用していませんでした。

ディスポーザブルタイプのもの

ディスポーザブルタイプのものは、プラスチックになっているものもあります。

最近では、感染リスクや滅菌コスト削減、劣化による破損の防止や長さの調整が簡単にできるなどの理由からディスポーザブルタイプを使用することが多いです。

スタイレットを使用時の合併症

スタイレット使用時には合併症を起こす危険性もあるため、注意が必要です。

スタイレット使用時の合併症は、咽頭や気管、食道などの損傷のリスクです。

スタイレットは硬い棒状のものであるため、気管挿管時に挿管チューブから飛び出し咽頭などの損傷を起こす危険性があります。

スタイレットを使用する時は、このような合併症のリスクがあることをしっかり理解しておくことが大切です。

スタイレットの準備のポイント

スタイレットを使用する時は、挿管チューブにセッティングして準備を行いますが、準備のポイントを見ていきましょう。

スタイレットは気管チューブの先端から出さない

スタイレットを使用する時は、挿管チューブの中にスタイレットを通してセッティングします。

スタイレットは気管チューブの先端から出さずに、先端から2cmほど手前の位置で止めておきます。

スタイレットが気管チューブの先端から出てしまうと、挿管時に咽頭損傷などの可能性があるため、必ず先端から突き出ないように注意しましょう。

スタイレット使用時の介助のポイント

スタイレットを使用する時は抜去の介助も行うため、介助のポイントも押さえておきましょう。

抜去のタイミングは声門を通過したあと

スタイレットを抜去するときのタイミングは、挿管チューブの先端が声門を2cmほど通過した後になります。

挿管チューブが声門を通過したかどうかは、麻酔科医の指示でしか分からないので、指示されるまで抜去しないように注意しましょう。

スタイレットを抜くタイミングが早すぎると挿管チューブを進めにくくなるので、麻酔科医の指示に従うことが大切です。

気管チューブに沿って抜く

麻酔科医からスタイレット抜去の指示が出たら、真上から引っ張るのではなく気管チューブに沿って抜きます。

スタイレットを抜く時は、気管チューブの位置がズレないようにチューブをしっかり押さえながら抜去します。

抜去の前後の声かけをしっかり行う

スタイレットを抜去する時は、麻酔科医は挿管に集中しているため、声かけをしっかり行うことが大切になります。

抜去の前には「抜きます」と声かけを行い、完全に抜去したら「抜きました」と伝えましょう。

気管挿管で使用する物品を理解するために

手術室では全身麻酔の挿管の介助なども行うため、挿管で必要になる物品などの知識も必要になります。

物品の使い方や合併症などの知識に自信がない新人ナースも多いと思いますが、少しずつ勉強して知識を身につけることが大切です。

スタイレットは緊急時に使用することも多いので、慌てることなく準備できるようにしておきましょう!

気管挿管の勉強にオススメ

手術室では挿管介助なども行うため、挿管で必要な物品などの知識も必要になります。

手術室に慣れていない新人ナースの中には、挿管介助時の手順や物品の扱い方が分からない人も多いかもしれません。

この参考書では、挿管介助や物品について詳しく紹介されているので新人ナースの勉強にオススメです。

今回お伝えしたスタイレットの扱い方や挿管介助の手順についても詳しく載っているので、活用できる1冊です。

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