手術器械の滅菌方法と滅菌できる器械の選択を押さえておこう!

手術室で働いていると必ず滅菌された器械や機器に触れる場面があります。

手術器械は全て滅菌されているものですが、その滅菌方法にはいくつかの種類があるのですが、詳しくは知らないという人も多いのではないでしょうか?

滅菌するからといって何でもオートクレープに入れるのはNGです!

今回は、手術器械の滅菌方法と器械の選択についてお伝えします。

滅菌とは全ての微生物限りなくゼロにすること

手術室では清潔操作が基本中の基本になるので、使用する器械は全て滅菌されています。

器械や衛生材料を使用する時には、必ず滅菌されているかどうかの確認をしてから、清潔野に出すことが基本ですよね。

手術のように清潔操作が必要な場合は、使用する器械を消毒ではなく滅菌して使用します。

では、「滅菌」とはどのような定義があるのでしょうか?

滅菌とは?

滅菌とは?

病原体・非病原体を問わず全ての微生物を死滅、または除去すること

これが滅菌の定義ですが、微生物を限りなくゼロにする確率論的な概念です。

微生物の存在する確率が10 -6 以下に達した時に「滅菌」と定義されており、無菌性保証水準(sterility zssurance lebel:SAL)であるとされています。

消毒は微生物の数を減らしたりすることですが、滅菌は微生物の存在がゼロという考え方なのです。

器械に合わせた滅菌方法が選択される

病棟で働いていると滅菌器具に触れる機会はありますが、手術室ほど多くはありません。

自分たちで滅菌方法を指定して滅菌の依頼をするということもないのです。

しかし、手術室では器械に合わせた滅菌方法が必要になるため、手術室で働く看護師は滅菌方法を知っておく必要があります。

  • 高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)
  • EOG滅菌(酸化エチレンガス滅菌)
  • 過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌
  • 過酸化水素ガス滅菌
  • 薬剤による科学滅菌

これらが手術室で行われている主な滅菌方法になりますが、それぞれの滅菌方法を詳しく見ていきましょう。

高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)

手術室で働いてるとよく耳にすることも多い、オートクレーブですが、これは熱によって微生物を死滅させて滅菌するという滅菌方法です。

オートクレーブは急速に加熱ができ、滅菌物の深部にまで熱が素早く浸透して、耐熱性の芽胞形成菌を含めた全ての微生物を比較的短時間で確実に殺菌することができます。

滅菌物は加熱されたタンパク質が凝固変性して微生物を死滅させるので、耐熱性、耐湿性のある滅菌物に適応しています。

さらに、多くの器具、物品類、液状物質に適用が可能であり、これらの材質劣化や変質なども比較的少ないので多くの手術器械に使用されています。

一般的な医療機関で使用されているオートクレーブは134℃〜135℃、滅菌時間8〜10分間で使用されています。

オートクレーブに適している滅菌物

  • 金属性の手術器械
  • ガラス
  • 陶器
  • ゴム
  • 繊維製品など。
    (例:クーパー、ペアンなどの器械、ガーゼ、ガラス製の薬杯など)

使用できる器材も多く熱を使用しているので経済的で、第一選択の滅菌方法です。

EOG滅菌(酸化エチレンガス滅菌)

これは、エチレンオキサイドを直接流通させることによって微生物を死滅させる方法のことです。

オートクレーブと比べて低温で確実に滅菌できる方法であり、医療機関でも使用されていますが、近年では発ガン性や大気汚染などの問題から使用頻度を減らす動きが目立っています。

EOG滅菌で使用される酸化エチレンガスとは、別名エチレンオキシドとも呼ばれます。

無色の気体でエーテル臭がしますが、蒸気を吸入すると吐き気や悪心、目や鼻などの粘膜を刺激する発ガン性がある物質です。

ガス滅菌の使用は最低限とされていますが、低温殺菌が必要で他に適切な滅菌方法がない場合にEOG滅菌が選択されます。

EOG滅菌に適している滅菌物

非熱性、非耐湿性の対象物が適しており、

  • カテーテル類
  • ゴム製品
  • 内視鏡などに使用されます。

過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌

過酸化水素低温ガスプラズマ法とは、先ほどのEOG滅菌の代替え法として開発された滅菌方法の一つです。

この方法は、過酸化水素ガスに高真空下で高周波やマイクロ波のエネルギーを使って、プラズマ化したものを利用する滅菌方法です。

このプラズマは反応性が高いため微生物と反応させて死滅させることができるのです。

また、低温・低湿度(50℃以下、50%RH以下)で滅菌することができ、水と酸素が生成されるので人体への影響が少ない方法とされています。

安全な滅菌方法ですが、真空に耐えられないものや水分や空気を多く含むものなどは滅菌できません。

過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌に適している滅菌物

主に非熱耐性の高価な機器で頻回使用が求められるものが適しています。

精密な医療器具から一般的なプラスチック製品まで広範囲ですが、液体や粉末、セルロース製品(リネン類)は過酸化水素を吸着してしまうため使用できません。

過酸化水素ガス滅菌

過酸化水素ガス滅菌は、過酸化水素の蒸気を使用して微生物を滅菌する方法です。

こちらの滅菌方法も過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌と同様に、低温・低湿温で滅菌することができ、操作や設置、モニタリングが比較的簡単であることから使用されています。

過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌と同様に、ナイロンを劣化させてしまったり、ガーゼ類などは過酸化水素を吸着するため滅菌には不適応です。

過酸化水素ガス滅菌に適しているもの

過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌と同様に、主に非熱耐性の高価な機器で頻回使用が求められるものが適しています。

精密な医療器具から一般的なプラスチック製品まで広範囲ですが、液体や粉末、セルロース製品(リネン類)は過酸化水素を吸着してしまうため使用できません

薬剤による化学滅菌

化学滅菌とは、オートクレーブなどのように熱や機械を使った滅菌方法ではなく、薬品に浸漬して滅菌する方法になります。

使用方法は、浸漬する器械がすっぽり入る大きさの容器に薬剤を入れて、規定の時間浸漬しておくことで滅菌作用が得られるというものです。

主に、オートクレーブができない内視鏡などに使用される方法です。

毒性が強い薬剤であるため、浸漬時間を超えたら滅菌水で十分なすすぎを行うことが必要です。

そして、浸漬する際には必ず手袋を着用して扱うなどの注意が必要です。

薬剤による化学滅菌に適しているもの

光学視管などの精密機器などオートクレーブ滅菌に適しておらず、ガス滅菌がすぐに使用できない場合なども化学滅菌を利用することがあります。

このように手術室で扱われる滅菌方法には種類があり、適切な方法で滅菌が行われているのです。

滅菌済みの確認はインジケーターをチェックする

手術で扱われる滅菌器械や機材には、必ず滅菌状態をチェックするインジケーターが入っています。

滅菌物を扱い際には必ずインジケーターを確認して色が変わっているか、滅菌有効期限が切れていないかも確認します。

滅菌テープの例

EOG滅菌後:緑
   ↑
滅菌前:オレンジ
   ↓
オートクレープ滅菌後:ブラウン

オートクレープやガス滅菌などの滅菌方法によって変わる色も違うことがあるので、しっかり押さえておきましょう。

正しい滅菌方法で安全を守るために

手術で使用する器械は滅菌されたものを使用しますが、滅菌方法にもいくつかの種類があります。

それぞれの器械や機器に合わせた適切な滅菌方法で滅菌を行うことが、手術を安全に行うための基本になります。

滅菌にかけるからといって滅菌方法を確認せずオートクレープで滅菌しないようにしましょう。

滅菌方法などの基本の勉強にオススメ

手術室では滅菌された器械を扱うことも多く、取り扱いを知っておくことが必要になります。

器械の中にはオートクレーブ滅菌できないものもあり、滅菌方法を間違えると破損にも繋がってしまいます。

この参考書では、手術室で必要な滅菌方法などの基本知識から応用編まで細かく紹介されています。

写真付きで詳しく紹介されているので新人ナースの勉強にぴったりです。

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