ペアンとコッヘルの見分け方と使い分けのコツ

手術で使用される器械は色々な種類があるので、覚えきれないという人もいるのではないでしょうか?

器械の多くは見た目が似ているものもあるので、細かい特徴を押さえておくことがポイントになります。

また、直接介助では術中のトラブルを防ぐためにも、器械の選択や使用目的をしっかり理解しておくことが必要になります。

今回は器械の使い方でつまずく人も多い、ペアン・コッヘルの器械の使い分けについて見ていきましょう。

ペアン・コッヘルは止血鉗子

新人看護師は直接介助から始まることが多いですが、手術器械が覚えられないという悩みを抱えている人も多いです。

初めて器械を見た人は、全てが同じ器械に見えて区別がつかないと感じると思います。

同じような見た目の器械もたくさんありますが、それぞれには特徴があるのです。

手術器械の基本である、ペアン・コッヘルは止血鉗子と呼ばれる器械です。

止血のために使われる止血鉗子ですが、実際の手術では剥離や組織の固定などに使用されており、指先がわりになる万能鉗子のような扱いです。

ペアン鉗子は無鈎

ペアン鉗子の見た目はコッヘルと同じですが、鈎がない代わりに先端に溝があるのが特徴です。

無鈎という特徴を活かして、主に体腔内の組織を把持したり止血に用いられます。

コッヘルと違って鈎がないため、把持する力は弱いですが、組織への損傷は少なく安全です。

ペアン鉗子には、先端が曲がったものと真っ直ぐのものがあり、手術によって使い分けられますが、曲がったものを使うことが多いです。

一般的なサイズは13〜14.5cmほどで手のひらに収まるサイズです。

コッヘルは先端に鈎がついている

ペアンと同じ見た目のコッヘルですが、先端に鈎がついており、鈎で組織を把持できるようになっています。

鈎が付いているので組織を把持するときに使用されますが、鈎によって組織を損傷する危険性があるため、体腔内では使用されません

コッヘルにも先端が曲がったものと真っ直ぐのものがあります。

手術によって使い分けられますが、先端が曲がったタイプのものをメインに使うことが多いです。

一般的なサイズはペアンと同じく13〜14.5cmほどです。

ペアンとコッヘルは鈎の有無で区別する

見た目も同じペアンとコッヘルですが、ほどんどの手術では2つ揃って器械に組み込まれていることが多いです。

見た目も同じなので、器械展開の時に必ずチェックしておきましょう。

ペアンとコッヘルの見分け方は、先端の鈎の有無で分かります。

  • 鈎が無い→ペアン
  • 鈎がある→コッヘル

器械展開の際は、必ず鉗子を開いて鈎の有無を確認しておくことが、術中トラブルを防ぐ方法です。

ペアンとコッヘルは様々な領域で使用される

同じような見た目のペアンとコッヘルですが、この2つは様々な領域で使用されるため、手術器械の基本にもなっています。

ペアンは結紮や把持、剥離に使用される

ペアンはコッヘルと違って鈎が無いため、様々なシーンで使用されます。

主な使用場面は以下の通りです。

  • 組織を把持する
  • 組織同士を剥離する
  • テープを把持する
  • 開腹後に血管や組織を結紮する
  • 血管や組織の間にマーキング用テープを通す
  • ドレーンの先端を止める
  • 組織の止血に使用

これらが主な使用場面ですが、ペアンは手術の始まりから終わりまで、常に使用される器械の一つです。

止血目的で使用されることも多いので、吸収糸や絹糸を先端につけて使用することも多いです。

コッヘルは腹膜切開までの間しか使用しない

コッヘルはペアンと違って鈎が付いているので、組織を把持する力が強いことが特徴です。

コッヘルもペアンと同様に様々な領域で使用されますが、外科の開腹手術などでは腹膜切開までの間しか使用しません

コッヘルには鈎が付いているため、体腔内の腸管などの柔らかい組織を把持してしまうと、組織を損傷してしまうため、腹腔内では使用されません

コッヘルの主な使用場面は以下の通りです。

  • 皮膚の把持
  • 脂肪組織の把持
  • 真皮などの硬い組織の止血
  • 覆布の把持

これらが主な使用場面ですが、開腹手術の際は腹膜を切開した後はコッヘルを使用しません。

見た目もペアンと似ているため間違えやすく、術中トラブルを防ぐためにコッヘルだけ避けておくこともあります。

また、ドレーンチューブの先端を止める際にはペアンを使用しますが、コッヘルで掴んでしまうとチューブを損傷してしまうため注意しましょう。

ペアンとコッヘルの使い分け

ペアンとコッヘルの違いは鈎の有無ですが、実際の手術ではどのように使い分けを行うのでしょうか?

開腹手術を例に見ていきましょう。

開腹手術での使用例

お腹の横隔膜から臍に向かって縦に切開する「上部腹部正中切開」を行うときの手順を例に挙げていきます。

1.メスで皮膚を切開する

2.電気メスで皮下脂肪層を切開する

3.腹直筋の癒合部分である白線を切開する
→この時に皮下脂肪層が邪魔になるのでコッヘルで把持することが多い

4.筋膜を小切開して指を入れながら筋膜を剥離して開腹する
開創器の準備に入るとともにコッヘルが返ってくるのでカウントする

5.開創器をかけて腹腔内の操作に入る

開腹したらコッヘルは使用しないので、間違えないよう器械台の端に避けておく

腹腔内での操作はペアンのみ使用します。

このように、腹腔内では使用しないため、筋膜が剥離し終わって開腹したら、コッヘルを下げる習慣をつけておくとトラブルを防ぐことができます。

開腹後にコッヘルを手渡すと怒られる

新人看護師の間は手術に慣れていないため、器械の区別もつきにくいですが、開腹後にコッヘルを間違えて手渡してしまうとドクターに怒られます。

新人であれば必ず通る道ですが、間違えて腹腔内の組織を把持してしまうと組織損傷を起こしてしまうため、術中のトラブルにもつながってしまいます。

慣れない間は、器械を渡す前に必ず確認してから渡すようにしましょう。

手術器械の正しい選択を行うために

直接介助はドクターに言われた器械を渡すだけのように見えますが、介助についてる看護師も器械の正しい選択を行わなければなりません。

手術で使用される器械には似たようなものも多いので、使い方と目的をしっかり把握しておくことが大切です。

器械の区別は新人看護師がつまずくポイントでもあるので、経験と勉強を積み重ねていきましょう。

手術室の器械の勉強にオススメ

手術で使用される器械は種類だけでなく、見た目が似たような物も多いので覚えられないと悩む新人ナースも多いです。

器械の扱いは器械だしの基本にもなるので、しっかり理解しておくことが必要になります。

この参考書では、手術室で使用される手術器械が写真付きで詳しく紹介されています。

細かい見分け方まで載っているので新人ナースの勉強に活用できる1冊です。

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