仰臥位は褥瘡に注意!体位固定の基本を押さえよう!

手術室では術中の体位固定が重要になりますが、長時間の手術などにより褥瘡を起こしてしまうこともあります。

手術によっては長時間の同一体位によって褥瘡が発生するリスクも高く、患者さんの術後の経過に影響してしまうことも。

手術室では褥瘡を予防するための対策をとっていると思いますが、担当する看護師の観察と正しい知識が必要になります

今回はオペナースが押さえておきたい仰臥位の術中体位の固定ポイントについて見ていきましょう。

仰臥位は手術の基本姿勢

手術によって術中の体位固定は変わってきますが、仰臥位は一般的な開腹手術や耳鼻科、眼科、整形外科、脳神経外科などの様々な手術で使用される体位です。

手術体位では基本的な体位になるので、褥瘡予防のポイントを押さえておくことが大切です。

全身麻酔下では肺容量が約44%も減少する

仰臥位は基本的な術中体位の一つですが、身体への影響も把握しておくことがアセスメントを行う上で必要です。

呼吸器系による影響ですが、全身麻酔下では筋弛緩により立位に比べて肺容量が約44%も減少します。

意識がある状態での仰臥位では、腹腔内の臓器により横隔膜が押し上げられ、立位に比べて肺活量が約24%減少するため、筋弛緩がかかった状態では呼吸機能が低下することが分かります。

仰臥位の体位固定は上肢と下肢の固定がポイント

仰臥位の褥瘡好発部位は、後頭部、肩甲骨部、肘関節部、仙骨部、踵骨部です。

褥瘡好発部位だけでなく、固定時の神経障害に注意しながら固定をすることが大切です。

上肢は90度以上挙上しない

仰臥位での手術の場合は、上肢の固定方法には3パターンほどがあります。

  • 両手開き
  • 片手を体側に沿わせる
  • 両手巻き込み

これらの方法で固定を行う場合は、挙上角度などに気をつける必要があります。

上肢の固定の基本は、回内・回外中間位であり、肘関節の伸展を防ぎます。

手台に固定する場合
  • 上肢の90度以上の挙上や頭の向きと挙上した上肢の反対側への回旋はNG
  • 肩関節を90度以上に外転させない

手台に固定する場合は、これらの注意点を守る必要がありますが、理由は腕神経叢損傷を生じてしまうためです。

体側に沿わせる場合
  • 上肢がズレたり転落しないように上肢を固定する板や固定帯を使って固定する。
  • 固定版を使用する際には、患者に当たる部位は保護具を使用して圧迫を受けないように注意する。

体側に沿わせる場合は、上肢がズレたり転落しないように固定具を使用しますが、固定具が直接上肢を圧迫してしまうことで、橈骨・尺骨神経麻痺を起こしてしまうことがあります。

神経障害を予防することが大切

上肢の固定を行うときに、固定具の圧迫などによって神経障害を起こしてしまうことがあります。

上肢の無理な外転や回旋は腕神経叢損傷の原因になる

腕神経叢損傷とは、腕が引き抜かれるような外力が働くことによって、腕神経叢が引き伸ばされて損傷することです。

腕神経叢は頚椎のC5〜C8、T1の神経から形成され、鎖骨や腋を通過していくうちに神経線維が複雑に入れ替わり、最終的に正中・尺骨・橈骨・筋皮神経になります。

腕神経叢には、神経根が脊髄に引き抜かれてしまう引き抜き障害や、神経幹から神経束が引き伸ばされたりする有連続性障害、神経が断裂してしまうなど様々な障害があります。

腕神経叢損傷は感覚障害や運動障害を引き起こす

腕神経叢損傷は上肢の無理な外転や回旋によって引き起こされてしまいますが、感覚障害と運動障害の症状が生じます。

橈骨・尺骨神経障害では知覚障害を生じます。

下肢は徐圧をしっかり行う

仰臥位では踵骨部に圧がかかりやすいため、しっかり徐圧を行うことが大切です。

下肢の徐圧では大腿部全体と足関節部の下肢全体を支えるように、徐圧用の枕を使用することで、踵骨部への徐圧を図ることができます。

踵骨部のみの挙上は膝の靭帯を損傷する危険性がある

仰臥位の下肢での褥瘡好発部位は踵骨部などがありますが、ふくらはぎの徐圧を図るために踵骨部のみ挙上してしまうことはNGです。

踵骨部のみを挙上してしまうと、膝関節部に外力がかかり膝の靭帯が損傷されてしまう危険性があります。

下肢の徐圧を行うためには、踵骨部だけでなく、下肢全体を徐圧することがポイントです。

固定帯を使用するときは腓骨小頭への圧迫に注意する

手術中の体位固定では下肢を固定するために固定帯を使用することがありますが、固定帯を使用するときは腓骨小頭への圧迫に注意することが大切です。

腓骨小頭は膝関節のやや外側にある骨の出っ張りの部分です。

固定帯がこの骨の出っ張りを圧迫しないよう注意して固定することが、神経障害を予防するポイントです。

腓骨小頭の圧迫により腓骨神経麻痺を起こす

固定帯などにより腓骨小頭が圧迫されてしまうと、腓骨神経麻痺を起こしてしまいます。

腓骨神経麻痺は外部からの圧迫により生じることが原因で、術中の固定方法によって引き起こされてしまうことがあります。

腓骨神経麻痺を起こしてしまうと、感覚障害や背屈ができなくなり下垂足と呼ばれる、足が垂れ下がったような形になってしまいます。

仰臥位は生理的彎曲を維持する

仰臥位の体位固定のポイントは、褥瘡好発部位の把握と生理的彎曲を維持することです。

生理的彎曲とは、胸椎の後彎、腰椎の前彎、膝関節の軽い屈曲位、足関節の直角位です。

固定を行う際は、無理やり固定をするのではなく、人間の自然な彎曲に合わせて固定を行うことが大切です。

固定具を使用する場合は圧迫部位に注意する

手術中にローテンションなどを行うときに固定板を使用する場合は、圧迫部位に注意することが大切です。

体の側面に固定板を当てるときは、腸骨と腋窩に固定板が直接当たらないように注意しましょう。

また、固定板が当たることによって皮膚障害を生じてしまうこともあるため、保護できるものを使用して固定することもあります。

術後は背面の観察を主治医や麻酔科医と行う

術後は褥瘡の確認のため、できれば主治医と麻酔科医、病棟の看護師と一緒に確認することが大切です。

観察項目は以下のポイントです。

皮膚の発赤や水疱形成 びらんなどの有無

術後は必ず体圧がかかっていた部位の観察はしっかり行いましょう。

仰臥位の体位固定をしっかり行うために

手術中は長時間同一体位を取っているため、褥瘡や神経障害を起こしてしまうリスクが高くなってしまいます。

術中に発生した褥瘡は術後の患者さんの経過にも影響してしまうため、しっかり予防することが大切です。

仰臥位は手術のポジショニングの基本になるため、術中トラブルを防ぐためにも正しい知識を身につけておくことが必要です。

術中のポジショニングについて勉強したい人にオススメ

仰臥位は術中体位の基本になるので、体位の固定方法や圧迫部位などをしっかり把握しておくことが必要になります。

手術時間が長くなればなるほど褥瘡などのリスクた高くなってしまうので、予防するためにも正しい方法を身につけましょう。

この参考書では、術中体位固定の基本から応用まで幅広く紹介されているので新人ナースの勉強にオススメです。

また、細かいデータも載っているので勉強会にも使える1冊です。

オペナーシングは年間購読がお得

オペナーシングの年間購読の詳細ページ

オペナーシングはメディカ出版から毎月発行されている専門雑誌ですが、便利な年間購読がオススメです。

オペナーシングを年間購読は下記の3プランがあります。

  1. オペナーシング 12ヶ月分+増刊号2冊+ヨメディカ
  2. オペナーシング 12ヶ月分+増刊号2冊
  3. オペナーシング12ヶ月分

それぞれのプランで値段が異なりますが、送料は無料です。

特に①のプランは増刊号2冊とヨメディカが付いているので、通常で購入するよりもかなりお得です。

ヨメディカとは?

ヨメディカとは、オペナーシングの2010年度以降に発行されたバックナンバーをオンライン上で読み放題できるというものです。

雑誌を持ち歩く必要がなく、オンラインでバックナンバーが読み放題なので出先でもサッと調べることができます。

知りたい情報を検索することもできるので、論文やケースの勉強にも活用できます。

オペナーシングの年間購読の詳細ページ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です