乳がんのセンチネルリンパ節生検の目的と方法について

乳がんの手術では、腋窩のリンパ節への転移の有無を調べるためにセンチネルリンパ節生検を行います。

センチネルリンパ節生検とは、乳腺に色素を注入することでリンパ管に取り込まれた色素を見つけることで腋窩リンパへの転移を判断するという検査です。

乳がんの手術で行われることが多いセンチネルリンパ節生検ですが、良く分からないという人もいるかもしれません。

センチネルリンパ節生検は、目的と術中操作、手順の3つのポイントを理解しておくことで術中操作にも困りません!

今回は、乳がんのセンチネルリンパ節生検の目的と方法について紹介します。

センチネルリンパ生検は乳がんの手術で行われる

乳がんの手術についたことがある人は、センチネルリンパ節生検を経験したことがある人もいると思います。

乳がんの手術では、腋窩リンパ節への転移を判断するためにセンチネルリンパ生検を行います。

乳がんは乳房の周囲にがん細胞が見られる疾患ですが、腋窩のリンパ節への転移を起します。

手術では、乳房周囲のがん細胞の切除と同時に、腋窩に転移したリンパ節も綺麗に取り除きます。

これをリンパ節郭清と言います。

今までは、乳がんの手術の際に腋窩のリンパ節を郭清することで転移を食い止めることができるとされ、全症例に対して腋窩リンパ節郭清が適応されていました。

センチネルリンパ節生検は転移の目安

最近ではセンチネルリンパ節生検により、リンパ節に明らかな転移が見られる以外は不必要な郭清を行わないで済むようになりました。

センチネルリンパ節とは、リンパ管に入ったがん細胞が一番最初にたどり着くリンパ節のことです。

乳がんの近くに色素を注射することで、センチネルリンパ節を見つけて摘出し、このリンパ節にがんが転移していないかどうか調べる、術中迅速診断を行います。

センチネルリンパ節の術中迅速診断の結果が陰性(転移なし)であれば、乳房の組織を摘出し、腋窩リンパ節郭清を省略して手術が進められます。

結果が陽性(転移あり)の場合は、腋窩リンパ節郭清と乳がんの摘出が行われます。

センチネルリンパ節生検が不適応のケース

センチネルリンパ節生検は、腋窩のリンパ節への転移の有無を診断するものですが、全ての症例に対して行われるわけではありません。

次のケースでは、術中にセンチネルリンパ節生検を行わず腋窩リンパ節郭清が行われます。

  • 触診や画像診断で腋窩リンパ節への転移がある、疑いがある人
  • しこりが3cm以上あり、リンパ節への転移が起こっている可能性が高い人

このような場合は、術中にリンパ節生検を実施せず腋窩郭清を実施します。

センチネルリンパ節生検の術中の操作

センチネルリンパ節生検は、手術を開始してから最初に行われます

乳輪皮内にインジゴカルミンとインドシアニングリーン(ICG)を注入し、ICGの流れを確認します。

腋窩に2cmほどの皮膚切開を行い、センチネルリンパ節を探し摘出します。

摘出されたセンチネルリンパ節は、術中迅速診断を行うためすぐに検査に下ろします。

センチネルリンパ節生検の術中ポイント

センチネルリンパ節生検を行う時の術中のポイントは次の3つになります。

・色素の準備
・生検の準備
・術中時間の変更

これらのポイントについて詳しく見ていきましょう。

【ポイント1】色素の準備

術中にセンチネルリンパ節生検を行う場合は、手術のオーダーに記載されています。

センチネルリンパ節生検を行う時は、器械準備の段階で色素の準備が必要です。

乳がんのセンチネルリンパ節生検で使用される色素は、インジゴカルミンとインドシアニングリーン(ICG)です。

術中では、この色素を使用して23Gの注射針で乳輪の皮内に注入します。

センチネルリンパ節生検を行う時は、必ず色素の準備を忘れずに行いましょう。

【ポイント2】生検の準備

センチネルリンパ節生検を行う時は、術中迅速診断を行い検査室にリンパ節を提出します。

準備の段階で、リンパ節を受けるための準備を整えておきましょう。

私が実際に行なっていた方法は、器械準備の段階で清潔な紙に皮膚ペンなどで「センチネルリンパ節」と記入して準備していました。

器械明けの段階で準備をしておくことで、リンパ節を受け取ってから混乱することなく検査に回すことができます。

迅速診断で陽性の場合は、リンパ節郭清が行われるため、リンパ節郭清で検査に下ろすための紙なども準備しておくと慌てずに済みます。

迅速診断で外回りに検体を下ろす場合は、必ずどの部位なのかをハッキリ伝えることがポイントです。

【ポイント3】術中時間の変更

センチネルリンパ節生検を行い、術中迅速診断の結果が陰性の場合は、乳がん周囲の組織を切除してドレーンを入れて終了となります。

症例にもよりますが、トータルで3時間ほどで終了することが多いです。

しかし、センチネルリンパ節生検での迅速診断の結果が陽性であった場合は、腋窩リンパ節の郭清が行われるため手術時間が長くなります。

場合によっては、腋窩の深い部分の腋窩リンパ節の郭清を行うこともあります。

術中時間は4〜5時間以上になり、症例によってはもっと長引くことがあります。

手術オーダーで登録されている手術時間よりも長くなってしまうと予想される場合は、師長に報告し病棟に連絡を入れておきましょう。

センチネルリンパ節生検を理解するために

乳がんの手術の時はセンチネルリンパ節生検を行うことがあります。

センチネルリンパ節生検は、術中迅速診断の結果によって手術の流れが変わるため、スムーズに検査に下ろすことが大切です。

また、検体を外回りに下ろす時は、部位と検査に下ろすのかなどをハッキリ確認することがミスを防ぐ方法です。

私も新人で慣れない頃は、直接介助から受け取った検体を迅速診断に回し忘れるというミスをしたことがあります。

直接介助はドクターの指示をしっかり確認し、外回りに確実に伝えることがポイントです。

術中で使用する薬剤を勉強したい人にオススメ

術中では様々な薬剤や色素などを使用しますが、中には副作用などが起こるものもあります。

今回の記事の中で出てきたインジゴカルミンとインドシアニングリーン(ICG)も、術中で使用される色素ですが、どのようなものか分からないと思っている人もいると思います。

術中で使用される薬剤などを勉強したいという人は、このオペナーシングの手術室の薬剤122がオススメです。

今回のインジゴカルミンとインドシアニングリーン(ICG)も載っているので、使い方などを詳しく知ることができます。

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