点眼麻酔だけじゃない!?眼科の手術で行われる局所麻酔の基本知識

眼科の手術は主に局所麻酔で行われることが多いです。

最近では、白内障の手術を受ける高齢者も増え、一日に何十件と手術を行なっている病院もあります。

白内障の手術は、手術時間も比較的短いため点眼麻酔だけで実施するドクターもいますが、テノン麻酔を使って行われることもあります。

今回は、眼科の手術で行われる局所麻酔の基本知識について紹介していきます。

眼科は局所麻酔で行われる

眼科の手術は、一般外科の手術と違って局所麻酔で行われます。

認知症の患者さんや術中に安静が取れない場合、手術時間が長くなる場合などは、全身麻酔で実施することもあります。

基本的には局所麻酔で実施されるので、外まわり看護師は麻酔方法について知っておく必要があります。

それでは眼科で行われる局所麻酔を見ていきましょう。

眼科で実施される局所麻酔

眼科で行われる主な局所麻酔の方法は、以下の種類があります。

  • 点眼麻酔
  • テノン嚢下麻酔
  • 球後麻酔
  • 顔面神経ブロック(瞬目麻酔)
  • 前房内麻酔

それぞれの麻酔方法について詳しく見ていきましょう。

点眼麻酔

点眼麻酔は、目薬と同じように麻酔薬を点眼します。

角結膜、強膜の疼痛を抑制し、点眼後約10秒ほどで麻酔効果が現れます。

持続時間は約10分程度です

手術中に何度か点眼麻酔を追加しながら進めることもあります。

白内障の手術では、この点眼麻酔のみで実施が可能ですが、他の麻酔方法と組み合わせて行われます。

テノン嚢下麻酔

テノン嚢下麻酔は、テノン嚢と呼ばれる白目を覆っている結膜の間に麻酔薬を注射する方法です。

麻酔方法は、結膜を切開し切開部分からテノン針をつけたシリンジで注射します。

テノン嚢下麻酔では、虹彩、毛様体の疼痛を抑制し、1時間以内で終わる手術に対して行われることが多いです。

ドクターによっては、白内障の手術で点眼麻酔とテノン嚢下麻酔を併用することもあります。

球後麻酔

球後麻酔は、目の裏側に麻酔薬を注射します。

球後針と呼ばれる針を使って、目の下の窪みから目の裏の筋肉に向かって注射を行います。

球後麻酔では、毛様体神経節に作用して眼球周囲の疼痛の抑制の効果が得られます。

また、動眼神経、滑車神経、外転神経に作用し、眼球運動を抑制します。

主にバックル手術や黄斑下手術、手術時間が1、2時間以上のときに使用されます。

顔面神経ブロック(瞬目麻酔)

顔面神経ブロックは、顔の顎の骨の突起部分から注射を行い顔面神経に注射を行います。

手術を行う眼の方の下顎骨突起に向かって直角に針を刺し、麻酔薬を注射します。

顔面神経ブロックでは、まばたきの動きが抑制されるため、瞬目麻酔と呼ばれることもあります。

上記の球後麻酔と併用されることが多いです。

前房内麻酔

前房内麻酔は、前嚢切開を行う前にポートから針を刺入して前房内に注射を行います。

眼球に傷をつけずに麻酔が可能であり、疼痛を抑制されます。

これらが眼科で行われる麻酔方法になります。

麻酔の合併症に注意

眼科は基本的に局所麻酔で手術が行われるため、外回り看護師の観察が重要になります。

麻酔によって引き起こされる合併症も知っておきましょう。

球後麻酔は疼痛が伴う

球後麻酔は、目の下の窪み部分から注射を行うため疼痛が伴います。

穿刺時には相当な痛みが生じることが考えられるので、患者さんへの声かけやバイタルサインの変動に注意が必要です。

また、合併症として稀に目の奥の血管を傷つけて出血を起こす「球後出血」や誤って針が眼球に刺さってしまう「眼球穿孔」を起こすこともあります。

球後麻酔で意識消失!?

球後麻酔はビジュアル的にもかなり衝撃が大きい麻酔方法なので、初めて見た人の中には驚いた人もいるかもしれません。

実際に私が眼科の手術を担当した時に遭遇した、球後麻酔のトラブルについてお伝えします。

球後麻酔直後、意識がなくなった

いつも通りにドクターが声かけを行い、球後麻酔を患者さんに実施。

注射が終わり、洗眼を行なっているとアラームが鳴り響きSpO2が低下し、呼びかけても反応がありませんでした。

すぐに手術は中止され、麻酔科医によるマスク換気が行われ、緊急処置が実施されました。

その後、患者さんは意識を取り戻し、術前の状態に戻り病棟に帰室されました。

原因は麻酔薬がくも膜下腔まで到達したため

麻酔科医に急変した原因を聞くと、球後麻酔で使用する球後針が視神経鞘を突き抜け、鞘の中を通りくも膜下腔に到達したためとのことでした。

麻酔薬が脳の中に到達したことにより、意識消失や呼吸抑制などの症状が見られました。

眼科は患者さんの表情が見えない

眼科の手術では、ドレープで顔を覆ってしまうため、患者さんの発言や表情から様子を伺うことが難しいです。

そのため、異変に気づくことが遅れてしまうこともあります。

外回りの担当は、モニターをしっかり観察し、バイタルサインから異変に気づくことが大切です。

私が外回りを行なっていた時は、女性の高齢者には手を握り異変があった場合はすぐに握り返してもらうような対応を行なっていました。

眼科の麻酔方法を理解するために

眼科の手術は局所麻酔で行われるため、術中のトラブルは外回りの看護師が対応しなければなりません

手術を受ける患者さんの多くは、基礎疾患を抱えた高齢者であり、麻酔による副作用や影響に関しても理解しておくことが必要です。

手術室は病棟のように、患者さんの急変に遭遇する機会は少ないです。

いざ目の当たりにした時は慌てず、冷静に適切な対応ができるようにしておきましょう!

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