糖尿病は感染のリスクが高い!ハイリスクの理由と3つの観察ポイント

手術は患者さんの既往歴によって手術の難易度が変わってきます。

自分が担当している患者さんの既往歴はきちんと把握していますか?

糖尿病は生活習慣病の1つであり、既往歴に挙がってくる患者さんも多いです。

糖尿病の患者さんの手術は、健康な人の手術と比べてハイリスクになってしまいますが、手術室で働く看護師であればその理由や根拠は押さえておきたい項目の1つです。

今回は糖尿病の患者さんの手術とリスクについて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

糖尿病は生活習慣によって引き起こされる

糖尿病という病名はよく耳にすることも多いと思います。

糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞で作られるインスリンが正常に作用しなくなる状態の病気です。

血糖値は血液中のブドウ糖の量を表している

私たちが食事から得た炭水化物などはグルコースになり、血液に乗って全身の細胞に取り込まれて、エネルギー源となります。

このグルコースは、身体の生命を維持するためには大切な要素なのです。

そして、血液中のブドウ糖を血糖と言い、血糖値は、血液中にどれくらいブドウ糖が存在しているかを表しています。

健康な人の血糖値の変動は、食事すると血糖値が上昇し、運動などによってブドウ糖がエネルギーとして消費されると血糖値は下がります。

健康な人の体内では、血糖値が上昇したらインスリンが働き、正常な値に下がるようコントロールされているのです。

糖尿病になると血糖値がコントロールできない

血糖値を下げる作用のあるインスリンの分泌が少なくなってしまったり、働きが悪くなってしまうと糖尿病になってしまいます。

糖尿病になると、血糖コントロールがうまくできず、血糖値が高いままの状態になってしまうのです。

では、なぜ高血糖状態が手術をハイリスクにしてしまうのでしょうか?

糖尿病は感染のリスクが大きい

よく学生時代の実習などで、糖尿病の患者さんの看護問題をあげる際に易感染のリスクをあげていた人もいると思います。

勉強をした人も多いと思いますが、糖尿病と易感染のメカニズムについて見ていきましょう。

高血糖状態は細菌が増える原因になる

糖尿病になると、身体のエネルギー源である糖分をコントロールできなくなってしまいます。

普通であれば、インスリンが反応して血糖値を下げるよう働きますが、糖尿病では血糖値を下げる働きが鈍くなってしまいます。

すると血液中は血糖値が高い状態である、高血糖状態になっています。

高血糖状態になってしまうと、免疫システムである白血球の動きが弱くなってしまい、細菌などと戦う力が弱くなってしまうのです。

さらに、糖分が多い高血糖状態の血液は、細菌にとっては最高の環境であり、糖分を栄養としてさらに活動し増えてしまうのです。

そして、糖尿病による血行障害などになってくると、血流が悪くなり細胞に酵素や栄養素が行き渡らず機能が低下してしまい、治癒遅延を引き起こしてしまいます。

手術侵襲によって高血糖状態に

糖尿病の患者さんは高血糖になりやすい状態ですが、手術によってさらに高血糖状態となってしまうため、ハイリスクなのです。

手術侵襲によって身体がストレスを感じてしまい、このストレスに対抗するためにインスリンに拮抗ホルモンであるカテコールアミンやコルチゾール、グルカゴンなどが大量に分泌され、血液中は高血糖状態になるのです。

これはどの手術でも起こりうる危険性なので、糖尿病の患者さんは術前から血糖コントロールが必要なのです。

術後の高血糖により感染のリスクが上がる

糖尿病の患者さんは高血糖傾向にあるため、健康な人と比べると感染のリスクが高いです。

しかし、術後に手術侵襲による高血糖状態が続くことにより、易感染による創部感染や治癒遅延などの合併症を引き起こしてしまうのです。

オペナースの観察ポイント

糖尿病の患者さんは、手術を受ける際には血糖コントロールが重要になってきますが、手術室で働く看護師として押さえておきたいポイントを見ていきましょう。

  • 術前のHbA1cの結果
  • 出棟時のBS測定の値
  • 硬膜外カテーテル挿入時は創部感染に注意

これらが糖尿病の患者さんの手術時に気をつけておきたいポイントです。

術前のHbA1cの結果

術前の血液検査はチェックすると思いますが、HbA1cの値は確認しておきましょう。

手術を受ける際はHbA1c<6.5とされており、十分な血糖コントロールを行なった後に手術に望むべきとされています。

出棟時のBS測定の値

手術当日は絶飲食であるため、血糖管理が重要になります。

絶飲食などにより低血糖症状がおきていないかどうかも観察ポイントです。

硬膜外カテーテル挿入時は創部感染に注意

糖尿病の患者さんは易感染であるため、硬膜外カテーテルからの感染に注意する必要があります。

手術終了後は、硬膜外カテーテル刺入部位の観察をしっかり行うことが大切です。

手術室で行われている看護ケア

このように糖尿病の患者さんは、手術を受ける際にはハイリスクとなりますが、手術室では実際にどのような看護ケアが行われているのでしょうか?

  • 手術中も定期的にBS測定を行い血糖管理
  • 自己注射を行なっている患者さんに対しては、インスリンのセットを手術室に持参してもらう
  • 最終血糖も申し送りの時に報告

職場によっても看護ケアの方法は違いがありますが、糖尿病の患者さんに対しては、このような看護ケアをおこなっている病院もあります。

特に手術時間が長時間にわたるオペの時は、術中の血糖コントロールも重要になってきます。

糖尿病によるリスクを理解するために

糖尿病の既往を持っている患者さんは増えています。

手術を受ける場合は、糖尿病であることがハイリスクになってしまうため、注意することが大切です。

術前に血糖コントロールをしてから手術に臨みますが、術中も十分な血糖管理が必要になります。

糖尿病による手術の影響を理解しながら、術中看護を行うことが大切です。

基礎疾患と手術の勉強にオススメ

糖尿病や高血圧などの基礎疾患を抱えた患者さんは多く、手術もハイリスクになってしまいます。

事前に基礎疾患を把握し、手術が与える影響を理解しておくことで術中のトラブルにも対応することができます。

この参考書では、病院でよく出会う基礎疾患が詳しく紹介されているので分かりやすいです。

「なぜハイリスクになるのか?」という根拠がしっかり載っているので勉強に活用できる1冊です。

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