整形外科手術で自己血輸血が必要になる理由とは?

オペ室で働く新人ナースの中には「整形のオペは、なぜ自己血が必要なの?」と思った人もいるかもしれません。

整形外科の手術によっては、自己血輸血を実施することがあります。

自己血輸血は術前に自分の血液を貯血しておくことで、合併症や副作用を回避できるメリットも。

今回は、整形外科手術で自己血輸血が必要になる理由についてお伝えします。

整形外科手術で自己血輸血を実施することがある

整形外科の手術では自己血輸血を実施することがあります。

整形外科のすべての手術ではなく、比較的大きな手術の時に実施されることが多いです。

私が働いていた手術室では、人工関節置換術や脊椎の腰椎後方椎体間固定術の時に実施することが多かったです。

貧血傾向や高齢者の患者さんの症例で見られる

手術の難易度だけでなく、貧血傾向や高齢者の患者さんに対して自己血輸血を実施しているケースもあります。

自己血の有無は手術オーダーの時に入力されているので、事前に確認しておくことがポイントです。

整形外科手術は術後の出血が増える

整形外科の手術では、術前に自己血を準備して手術に臨むケースがあります。

術中の出血量は100mlほどであり、術中の出血は少ないのになぜ?と疑問に思った人もいるかもしれません。

整形外科の手術の特徴として、術中の出血よりも術後の出血が多くなることが挙げられます。

例えば、人工関節の手術では術後24時間ほどで400ml以上の出血が見られる場合もあります。

患者さんによってはそれ以上の出血があることも…。

なぜ、術後の出血が多くなるのでしょうか?

骨は血管が豊富で出血しやすい

骨は血管が豊富であり、出血しやすい部位です。

骨の中心部分である骨髄では血液の成分に必要な造血幹細胞が存在し、血液を作っています。

術後は長時間かけて骨からの出血が続くことや血栓予防の抗凝固剤を投与することも、術後の出血に関係しています。

自己血輸血の方法は3つ

自己血輸血の方法としては、大きく分けて次の3つの方法があります。

貯血式自己血輸血

術前に採血を行い、貯血して保存しておく方法です。

自分の血液を輸血するため、合併症や副作用などが回避できるメリットが挙げられます。

稀な血液型や不規則抗体などがある場合には有効となります。

希釈式自己血輸血

全身麻酔導入後に採血を実施して血液を保存しておく方法です。

希釈をすることで出血量を抑えられるなどのメリットがありますが、循環動態の変動などのデメリットも挙げられます。

回収式自己血輸血

術中や術後に出血した血液を回収して体内に戻す方法です。

術中回収法による輸血は、大量出血する場合や出血量が予測できない場合に有効な方法です。

ただし、回収した血液に細菌などが混入するリスクもあります。

整形外科手術では貯血式と回収式で実施される

整形外科の手術では、主に貯血式と回収式で自己血輸血が実施されます。

最近では貯血式の自己血輸血を行なっている施設は少なくなっているようですが、私が働いてた手術室では実施していました。

施設によっては回収式によって返血を行うことろもあります。

CBCドレーンによる返血

施設によってはドレーンに溜まった血液を回収し、返血を行うところもあります。

CBCドレーンを使用するときは、次のような決まりがあります。

  • 再輸血は400mlまたは4時間の血液回収後に実施

私が働いていた病棟では、出血量が400mlに達した時点で1回目の返血をスタートさせていました。

自己血輸血を実施するタイミングは?

手術終了後に実施することが多かった

自己血輸血を実施するタイミングは、術中の出血量や患者さんの状態によっても変わってきます。

人工関節の手術などの場合は、手術が終了するタイミングで指示が出されることが多かったです。

手術時間が長い場合や出血量が多いときは、術中に輸血の指示が出ることもあります。

整形外科手術を理解するために

整形外科の手術は骨を扱うため、術後の出血が多くなることが特徴です。

術中の出血量が少なくても、術後に貧血や循環動態が不安定になることもあります。

整形外科では術後の出血に備えて自己血輸血を行うことを理解しておきましょう。

整形外科手術の勉強にオススメ

整形外科の手術は手術ごとに器械などが異なるため、覚えられないと感じる新人ナースもいます。

整形外科はスピードも求められるため、器械の扱い方や組み立てなどを理解しておくことが大切になります。

この参考書は、整形外科の器械だしの手順が写真付きで詳しく紹介されています

手術の流れが理解しやすく、出血が多くなるポイントなども理解できますよ!

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