経尿道的尿管結石破砕術(TUL)の術式と手術の流れ

泌尿器科の手術ではTURやTULなどの様々な手術が行われますが、手術内容も分かりにくいと感じている人も多いのではないでしょうか?

TULは尿管結石に対して行われる手術であり、泌尿器科の手術の中でもメジャーな手術となっています。

泌尿器科のある病院であれば、毎週TULの手術を行なっている手術室もあるかもしれません。

今回は、経尿道的尿管結石破砕術(TUL)の術式と手術の流れについてお伝えします。

TULは結石に対して行われる手術

経尿道的尿管結石破砕術(TUL)とは、transurethral lithotripsyの略であり、尿管内の結石や腎臓内の結石を破砕して取り出す方法です。

主に自然排出しない結石や1cm以上の腎結石、結石により尿の流れが悪くなる水腎症を伴う場合などに行われます。

尿路結石の治療法としては、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)がありますが、TULは確実に摘出できることが特徴として挙げられます。

TULの手術の概要

TULの手術は、レーザーで結石を破砕して小さくして摘出するものです。

内視鏡を尿管から挿入し、膀胱を通って尿管や腎盂内にある結石を取り除きます。

体外衝撃波結石破砕術(ESWL)は体外から衝撃を与える方法ですが、TULは膀胱内から直接結石にアプローチする方法になります。

TULが行われる適応疾患

TULが行われる疾患としては、腎結石や尿管結石であり大きさは15mm以下のものが対象となります。

また、尿管結石の中でも比較的大きいものや体外衝撃波結石破砕術(ESWL)で破砕ができないもの、結石を確実に除去したい場合などが適応になります。

レーザーで粉砕しながら結石を回収できるので、安全で根治性の高い治療法とされています。

TULの麻酔と手術体位

TULの手術で行われる麻酔方法と手術体位について詳しく見て行きましょう。

TULの麻酔方法は2種類

TULで行われる麻酔方法は、脊椎麻酔と全身麻酔の2種類があります。

麻酔方法の使い分けとしては、以下の通りになります。

  • 中部・下部尿管結石:脊椎麻酔
  • 腎結石・上部尿管結石:全身麻酔

このように尿管の上部下部、腎臓などの位置によって麻酔方法が異なります。

逆に麻酔方法によって手術部位が分かるということです。

手術体位は砕石位

手術体位はレビデーターを使用して砕石位で行われます。

手術時間は1時間〜1時間30分以上かかる時もあるため、神経障害に注意しながら固定を行うことが大切です。

TULで使用される器械

TULの手術で使用される器械は以下の通りです。

  • 内視鏡(硬性尿管鏡、軟性尿管鏡、処置用膀胱鏡)
  • 粉砕装置(リソクラストなど)
  • カテーテル(バスケット)
  • 尿管ステント
  • ガイドワイヤー
  • 尿管アクセスシース

結石を回収するためにバスケットカテーテルを使用しますが、サイズや大きさなどの種類があるので、指定されたものを準備するようにしましょう。

経尿道的尿管結石破砕術(TUL)の手術の流れ

経尿道的尿管結石破砕術(TUL)の手術は、結石の位置によって手術の流れが異なります。

経尿道的尿管結石破砕術(TUL)の手術の流れについて見ていきましょう。

①麻酔

結石の位置によって脊椎麻酔や全身麻酔が選択されます。

②体位固定

麻酔の導入が終わったら、砕石位に体位を固定します。

結石の状況によって手術時間が長くなるため、神経障害や皮膚障害が起こらないように注意しながら固定することが大切です。

また、イメージ使用して透視化で行われるため、プロテクターを使用するのを忘れずに。

③膀胱内を観察しガイドワイヤーを腎盂に挿入して透視化で確認

膀胱鏡で膀胱内の粘膜の状態やサイズなどを確認し、ガイドワイヤーがしっかり挿入されているか透視化で確認します。

ガイドワイヤーはストレートやアングルなどの種類があるので、指定されたものを準備しておきましょう。

④ガイドワイヤーに沿って硬性尿管鏡で観察

挿入したガイドワイヤーに沿って軟性尿管鏡で尿管内を観察します。

中部・下部の結石の場合

⑤結石をレーザーorリソクラストで破砕

結石を見つけたらレーザーorリソクラストで破砕していきます。

この時に粘膜からの出血が起こり、手術を中止することがあるので注意が必要です。

⑥破砕した結石をバスケットカテーテルで回収

小さく破砕した結石をバスケットカテーテルを使って回収します。

結石の大きさによっては、破砕→回収→破砕→回収を繰り返すこともあります。

⑦透視化で尿管ステントを留置して終了

結石が回収できたら尿管ステントと尿道カテーテルを留置して終了します。

尿道カテーテルは出血がなければ(12〜14Fr)のサイズを使用しますが、ドクターの指示にしたがって準備することが必要です。

尿管ステントは、内視鏡による刺激で尿管がむくみにより狭窄したり、結石が尿管につまることを防ぐために留置されます。

ステントは翌日に抜去されることが多いです。

腎結石・上部尿管結石の場合

⑤尿管アクセスシースを透視化で挿入

尿管アクセスシースを透視化で挿入し、軟性尿管鏡で観察を行います。

この時に尿道損傷を起こす危険性が高いため、注意が必要な操作になります。

⑥レーザーで結石を粉砕して回収

レーザーで結石を粉砕し、バスケットカテーテルを使用して回収します。

⑦透視化で尿管ステントを留置して終了

結石が回収できたら尿管ステントと尿道カテーテルを留置して終了します。

尿道カテーテルは出血がなければ(12〜14Fr)のサイズを使用しますが、ドクターの指示にしたがって準備することが必要です。

尿管ステントは、内視鏡による刺激で尿管がむくみにより狭窄したり、結石が尿管につまることを防ぐために留置されます。

ステントは翌日に抜去されることが多いです。

経尿道的尿管結石破砕術(TUL)の術中合併症

経尿道的尿管結石破砕術(TUL)の術中合併症としては、尿管損傷が挙げられます。

術中操作によって尿管穿孔や尿管断裂の危険性があり、尿管穿孔を起こした場合は尿管ステントを穿孔部より近位に留置して手術を終了します。

尿管ステントを留置するのが難しい場合は、腎瘻の増設が必要になります。

また、尿管断裂を起こした場合は緊急開腹手術による術式変更を行い、尿道吻合を行います。

尿道損傷以外にも出血や狭窄がある場合は、尿管ステントを留置して手術を終えることもあります。

経尿道的尿管結石破砕術(TUL)のポイント

経尿道的尿管結石破砕術(TUL)の手術では部位によって麻酔方法や手術の流れが異なるので理解しておくことが大切になります。

また、バスケットカテーテルはサイズや種類があるので、ドクターに従って出すことが必要です。

術後の膀胱留置カテーテルは患者さんの症状に合わせてサイズを選択されるので、サイズの在庫があるかを確認しておきましょう。

術中合併症を起こした場合は術式変更などの可能性があるため、対応できるよう準備をしておくことが重要です。

経尿道的尿管結石破砕術(TUL)に慣れるために

経尿道的尿管結石破砕術(TUL)は、手術室によっては直接介助が必要なく、ドクターだけで行われることもあります。

ウロで使用される内視鏡などは特殊なものも多く、カテーテルやステントなどにも種類があるため、指示にしたがって準備することが必要になります。

また、脊椎麻酔で受ける患者さんは意識がある状態なので、術中の声かけや対応などに注意しながら全身状態の観察もポイントになります。

手術前に使用するカテーテルやステントなどの物品を、しっかり把握しておくことが大切になります。

経尿道的尿管結石破砕術(TUL)の勉強にオススメ

TULやTURなどウロの手術はよく分からない、と感じている新人ナースも多いと思います。

泌尿器科では特殊な器械や物品を使用することも多いので、使用する場面や目的をしっかり把握しておくことが必要になります。

この参考書では、泌尿器科で行われる手術の術式や流れが写真付きで紹介されているので、新人ナースにぴったりです。

今回紹介したTULの手術についても詳しく紹介されているので勉強に活用できる1冊です。

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