手術室では器械の準備から部屋のセッティングまで、看護師が行います。
手術が行われる部屋のセッティングは、手術を担当しているナースが行うこともあります。
手術をスムーズに行うためには、しっかり準備を行うことが大切になります。
コンテンツ
手術前の準備の流れ
手術が行われる前に、部屋のセッティングや物品の準備を行います。
主な準備の流れは以下の通りです。
- 行われる手術の確認
- 必要な物品を集める
- 部屋のセッティングと配置
- 器械展開と準備
- 空調の調整
これらが準備の流れになりますが、物品の準備と部屋のセッティングが重要になります。
実際の準備の流れ
実際に、オペーナースの手術前の準備に密着したので、内容を見ていきましょう。
行われる手術の確認
最初に行われる手術の内容と手術予定の部屋の確認を行います。
手術室にはそれぞれ1番、2番と番号が振り分けられているので、該当の部屋を確認します。
手術の内容によっては「腸切除」しか書かれていない場合もあります。
術式と内容は必ずカルテで確認する
トラブルの例として、カルテにマイルズやLRAなどの記載があり、手術表には書いておらず準備に不足があったということも起きています。
「腸切除」だけでは詳しい術式が分からないこともあるので、必ずカルテで確認しましょう。
カルテを読んでも分からない場合は、直接ドクターに確認することも方法です。
必要な物品を集める
予定手術の内容を確認したら、手術に必要な物品を集めていきます。
手術によっては、外科用セットなどのように一つにまとまっているものもあります。
集める物品の例
集める必要物品の例としては、以下のものがあります。
- 覆布
- ドクターの手袋とガウン
- 絹糸などの糸と針類
- 吻合器など
- 生理食塩水のボトル
- 挿管チューブ
部屋のセッティングと配置
物品を集めたら部屋のセッティングと配置を行います。
ここでのポイントは、手術部位によってベッドの位置に注意することです。
頭側の手術であれば、頭側が広くなるよう足側に下げるなど、行われる手術に合わせてセッティングを行います。
また、内視鏡を使用する手術ではモニターを使用するので、麻酔導入後にすぐセッティングできる位置に配置するなどの工夫が必要です。
セッティングと確認を同時に行う
セッティングでは、手術用ベッドを整えたり、保温用ウォーマーのシートを交換したりします。
保温用ウォーマー、電気メス、フットポンプ、ターニケットなどは、セッティングを行うときに動作に問題がないか確認します。
特にフットポンプは術中はベッドの下に置いて使用することが多く、異常があっても発見しにくいです。
麻酔器周りのセッティング
麻酔器周りのセッティングでは、酸素マスクや酸素バッグ、薬品、麻薬などが揃っているか確認します。
麻酔器周りの物品が不足していると、麻酔の導入に影響が出てしまうため、しっかり確認します。
挿管チューブは男性が8.0、女性が7.5のサイズを使用することが多いですが、両方準備しておくと対応できます。
器械展開と準備
自分が直接介助として手術を担当する時は、手術が始まる前に器械展開と準備を行います。
器械は滅菌された状態で運ばれてきますが、手術中に使用する衛生材料や覆布などは入っていません。
器械展開を行うときに、術中で必ず必要になる物品を出して準備しておきます。
準備としては、結紮や止血で使用する絹糸や吸収糸を使いやすい場所にセットしておきます。
空調の調整
部屋のセッティングが終わったら、空調の調整を行います。
準備中は作業がしやすいように部屋の温度を下げていることが多いです。
患者さんが入室する前は、部屋の温度を上げて空調を整えることが必要です。
手術前の準備のポイント
手術前の準備では、術中に使用する物品をしっかり揃えておくことがポイントになります。
準備の段階で物品に不足があると、手術がスムーズに進まなくなってしまいます。
また、ベッド周りや麻酔器、モニターのセッティングは、麻酔導入後にセッティングしやすいように配置することが大切になります。
準備中に部屋の温度を下げて、患者さんの入室前に温度を上げ忘れることも多いので、環境を整えておきましょう。
スムーズに手術前の準備を行うために
手術室では、術中の看護と同じくらい手術前の準備が大切になります。
手術前の準備が、担当する手術の進行を左右すると言っても過言ではありません。
使用する物品や器械、衛生材料など必要なものが揃っているか、何度も確認して準備を行うことが大切です。
手術室のキホンの勉強にオススメ
手術室では、術中の看護だけでなく手術前の準備も大切になります。
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